こんにちは。
美観堂』の瀬戸です。

美観地区の素敵なお店をご紹介するコーナー。
今日は、『美観堂』の姉妹店でもある『暮らしの宿 てまり「ゆきかい」』です。

私は美観堂スタッフでもありますが、普段はこの宿の担当もしています。

「もの」が主役。お伝えしたいのは、手仕事の品々がもつ価値や心地よさ

暮らしの宿てまり座敷

『暮らしの宿 てまり「ゆきかい」』は、リノベーションした古民家を使った1日1組限定のお宿です。
2018年6月にオープン、『美観堂』の2階にあります。

館内に置かれている器や家具などはすべて、日本のてしごとの品々です。

古くから日本、そして岡山・倉敷に息づいてきた伝統や素材、技法。
これらが、現代的なかたちやデザインで表現された品々を揃えています。

その良さは、ただお店の棚で手に取るだけではなく、一晩を過ごしながら手でふれて、使ってみることで初めて分かるものでもあります。

昔から脈々とつづくものを感じる、ささやかな喜び。
伝統の上に新しく生まれたスタイルを発見する、ちょっとした楽しさ。

それらを感じる暮らしこそ、きっとこれからの時代の豊かさにつながるはずだと思っています。

本当に大切なものに立ち返る宿。毎日をすこしだけ心豊かなものに

暮らしの宿てまりイメージ

今の世の中は、ものと情報で溢れています。
大量生産や大量消費を前提にうまれている商品もたくさんあります。

ですが、私たちがこの宿で揃えたのは、作り手の思いが明確にあり、素敵な物語がある品々ばかりです。

そんな品々を泊まりながら使っていただくことで、「暮らしの中で大切にすべきもの」を振り返ってもらえれば。

その体験によって、旅が終わったあとの日々の暮らしも、今までより少しだけ豊かに感じられるような、そんな余韻が心に残るような宿でありたいと思っています。

宿を構えるのは民芸のまち・倉敷

倉敷川舟

ご存知ではない方もたくさんいらっしゃると思いますが、実は倉敷は「民藝運動」がとても盛んだった町なんです。

民藝運動とは、暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に、美しさを見出そうとする運動。

大正時代にこの運動を提唱したのが『柳宗悦(やなぎむねよし)』という学者さんです。

彼を支援して『日本民藝館』ををつくった倉敷の実業家『大原孫三郎(おおはらまごさぶろう)』。
日本で2番目の民芸館である『倉敷民藝館』をつくった、その長男の『大原總一郎(おおはらそういちろう)』。

倉敷はこの親子が生まれた地でもあります。

美観地区の夕暮れ

彼ら先人の気質が今も脈々と受け継がれている倉敷で、美観地区の美しい町並みを眺めながら過ごす時間は、日常とは切り離された体験になります。

そんな非日常の中の発見と安らぎを、ご自身の日々の暮らしに持ち帰っていただきたいと思っています。

古いものと新しいもの、どちらも大切に宿をしています

暮らしの宿てまり外観

『美観堂』と姉妹店の『カフェ有鄰庵』の間にある細い路地。

ここを進むと「てまり」の看板と暖簾が見えてきます。

暮らしの宿てまり外観

暖簾をくぐり、戸を開けると2階に続く階段。

上がった所に4畳ほどの板の間と、その横に6畳のたたみのお部屋が2間あります。

暮らしの宿てまり格子窓

お部屋の自慢は大きな格子窓。

美観地区の町並みを行き交う人々や、時間によって表情が変わる美観地区の情景をご覧いただけます。

暮らしの宿てまり

窓枠やガラス、梁や柱の部分は、もともと一般の住宅で使われていたものをそのまま使っています。

古いもののいいところと、新しいもののいいところ。
どちらもを大切に、暮らしていきたい。

そんな私たちの思いの表れでもあります。

チェックインはお部屋で。旅のススメはお任せください

暮らしの宿てまりチェックイン

チェックインカウンターは設けていません。

私や地元出身のスタッフが宿の中でご対応します。

チェックイン時は、地元生まれのお茶とお菓子を召し上がっていただきながら、美観地区の観光やお食事処についてご紹介します。

スケジュールを決めずにお越しいただいても大丈夫です。

お客様が美観地区でどのような時間を過ごされたいかを伺いながら、おすすめさせていただきます。

滞在中にお使いいただける品々を少しだけご紹介します

暮らしの宿てまりのうつわ
十河隆史さんのうつわ

こちらは、瀬戸内海をのぞむ岡山県の玉野市の工房で創作活動をつづける『十河隆史(そごうたかし)』さんのうつわたち。

一番手前に写っている湯呑は『ほっこり湯呑』といいます。

この湯呑でお茶を飲むと、土の温かみ、持ち心地のよさ、作り手さんの人柄を感じていただけますよ。

倉敷ガラス

ほかにも、同じ倉敷市の真備町で取れた竹を使ってものづくりをしている『TEORI』さんのスツールや、全国でたった2人の親子しかつくれない『倉敷ガラス』などもご用意しています。

暮らしの宿てまり五右衛門風呂

お風呂は五右衛門風呂。
これも手仕事でつくられています。

単に見た目がレトロなだけでなく、鋳鉄(ちゅうてつ)でできた浴槽は遠赤効果が加わるためお湯はまろやかになり、体の芯から温かくなります。

おやすみになる前にゆっくり入浴し、1日美観地区を散策した旅の疲れを癒やしてください。

「暮らしの豊かさ」を更新しながら営む。新しいかたちの宿造りを目指しています

暮らしの宿てまり格子窓

今計画中なのですが、宿に素敵な椅子を置こうと思っています。

大きな格子窓の高さと同じくらい。
手仕事でできた、作り手の想いのこもったもの。

そんな椅子に座り、町並みをただ見ながら過ごす。

普段の生活ではなかなか体験できないような時間を提供したいと考えています。

また、宿泊していただくことだけが、『暮らしの宿 てまり』の表現の仕方ではないとも思っています。

『暮らしの宿 てまり』が考える「心の豊かな暮らし」。
これを感じていただける宿泊以外のサービスも近日スタートの予定です。

『暮らしの宿 てまり「ゆきかい」』アクセス方法

JR倉敷駅から徒歩約10分。
美観地区のほぼ中心に位置しています。

〒710-0054 岡山県倉敷市本町2-15 美観堂2F
TEL:086-486-2225 
空室状況やご予約は、下記URLよりご確認くださいませ。
暮らしの宿 てまり | ご予約ページ

この記事を書いた人

瀬戸 珠実

倉敷市児島出身。 グアムでブライダルの仕事をしたあと、帰国して日本旅館で働き、2014年から3年間オーストラリアでも働いていたという面白いキャリアの持ち主です! 日本に帰ってきてから地元の魅力を発信する仕事がしたいと考えるようになり、『美観堂』のある『株式会社行雲』に仲間入りしました。好きなものはヨガとお酒!