岡山県玉野市の陶芸作家・十河隆史(そごうたかし)さんが手がける、『粉引マグカップ』『ほっこり湯呑』、そして『まんまるお猪口』。

白化粧による奥深い味わいと独特の質感が、とても魅力的な器です。

このページでは、オススメの使い方・お手入れ方法をご紹介します。

粉引のマグカップ

『粉引(こひき)』とは?

『粉引』とは、李氏朝鮮時代に日本に伝わった技法のことで、「粉を引いたように白い」姿から、名付けられたもの。

その工程は、一般的な陶器づくりに比べ、ひと手間多くかけられています。

粉引の作品たち

通常の陶器は、素地(陶器の原料となる粘土)の上に釉薬を掛けて焼き上げられます。
それに対し、『粉引』は2つの間に「白い泥(白化粧)」を掛けます。

素地ー白い泥(白化粧)ー釉薬という流れですね。

粉引のお皿

素地と釉薬の間に、白い泥の層を作ることで、他の陶器とは一味違う、優しく温かみのある風合いが魅力。

一度目にすると、その奥深い色合いに心をグッと掴まれてしまいます…!

『十河隆史(そごうたかし)さん 粉引の器類』オススメの使い方

1.器を”育てよう”

素地と釉薬の間に白い泥の層を持つ、『粉引』。

そのため、他の陶器よりも柔らかく、水分が染み込みやすいという特徴を持ちます。

経年変化によって少しずつ渋くなるさまは、 器を”育てている” ようで、使うたびに愛着が…!

ぜひ、もったいぶらず、暮らしの中でたくさんお使いください。
使えば使うほど、ご自分だけの器として、深みが増していきますよ。

まんまる湯呑

2.お猪口にお料理を載せよう

十河さんがつくる『まんまるお猪口』のちょっと変わった使い方としては、副菜やお漬物を乗せていただくのもオススメ。

食卓がグッと大人っぽくなるんです。

食器としてお使いいただく際は、ぜひ水にくぐらせてからお使いください。
汚れ防止になるのはもちろん、質感がしっとりとし、料理を一層引き立ててくれますよ。

生活の中の粉引

メンテナンス・お手入れの方法

1.使い始めに「目止め」をしよう

こちらの陶器には吸水性があります。新品の器は使い初めに30分以上(できれば一昼夜)水の中に浸け、しっかりと水分を吸わせてあげてください。

そうすることで匂い移りや汚れの防止になります。

2.ご使用の際に気をつけていただきたいこと

  • 電子レンジと食洗機はお使いいただけますが、オーブンと直火はお使いいただけません。
  • 食品・飲料を入れたまま長時間(一昼夜以上)放置すると、陶器から沁み出た水分がテーブルに浸透しシミの原因となりますのでご注意ください。
  • しばらく使わないときは良く乾かし湿気を抜いてからおしまい下さい。
  • 使っていくうちに割れたり欠けたりしたものをご希望により漆で繕っています。以下の連絡先へお問い合わせください。

3.欠けたり割れたりしてしまったら…

十河さんの元では、ご希望により漆での繕いを行っております。
まずは、以下の連絡先にお問い合わせください。

<お問い合わせ先>
T POTTERY 陶芸工房
〒706-0314 岡山県玉野市山田 3809-11
TEL/FAX 0863-4 1-2240
メール: pottery1230@gmail.com

使い込むうちに、深く渋くなっていく、粉引の器。

ぜひ末長くご愛用いただけますと、嬉しいです。

その他、ご使用になられる中でのご不明点などございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
お問い合わせフォーム | 美観堂

この記事を書いた人

久保千聡

学生時代を大阪・広島・福岡で過ごした自称ジャパニーズトリリンガル。
心を開くと福岡弁が出てきます。
2019年夏に結婚を機に倉敷へ移住、美観堂スタッフに!
自宅で飼っているポメラニアン(王子)を溺愛しています。
Twitter(@_chisatokubo)